大人のピアノ初心者は絶対レッスンに通った方が良い理由(実感)

 

 

大人になってからピアノを始める初心者は絶対レッスンに通った方が良い
その理由とは

●初心者向けのピアノ教本はたくさんあるし、まずは独学で始めても大丈夫だよね?

子供が弾かなくなったピアノ、あるいは最近は値段も手頃で本物のピアノの音やタッチがかなり再現され、
ひと昔前とは比べ物ならないほど性能が向上した電子ピアノなどもあり、
時間とお金に少し余裕がでてきた大人になって、子供のころ憧れだったピアノに挑戦してみよう!
って人も多いと思います。

わたしも10数年前、多忙部署から閑職部署へ異動となり、
子供のころから憧れだったピアノに挑戦しよう!と、思い立ったのです。

当時家にピアノはなく、
社会人なりたての頃に買ったヤマハのポータトーン
(61鍵、一応タッチセンス付き+別売りの1ペダルとスタンドありだけど、おもちゃです)
が部屋のすみでオブジェと化してました。

ホントに久しぶりに電源入れたら、ちゃんと音出たし、
楽器はまずこれでよしとして、何から始めたら良いのだろう?

当時キーボードを買ってはみたものの、なんとなく単音でメロディー弾いたり、
IMAGINEとかLET IT BEの前奏部分だけちょこっと弾いて喜んでたりした程度。
その後仕事が忙しくなって、キーボードどころかギターにもまったく触れることなく過ごしてました。

そんなこんなで、とりあえず本屋で初心者向け教本のようなものを何冊か見てみるも、
なんかピンとこない。
ギターは基本的にTAB譜に頼ってたし、ご、五線譜が読めない・・・

と、思いつつ初心者向けの、超簡単そうな練習曲を弾きながら学習するタイプと
指の形や使い方、椅子の座り方や演奏中の姿勢など、ピアノを弾くための基本的なことから、
基礎的な練習、効率良く上達するための練習方法やコツまで載ってる本を買ってみました。

●結論:独学で始めても大丈夫・・・ではなかった

結論から言うと、教本などに図や写真付きで書いてあっても、付属DVDでお手本動画が見られても、
初心者が独学で上達するのはかなり困難だと思います。

音楽的なこと、例えば楽譜を読めるようになるとか、各種記号の意味とか、
そういうことはある程度独学でも習得できるでしょう。

でも、自分が教本通りの”かたち”で弾けてるのか。
指のかたち、運指、演奏中の姿勢。
これらは自分ではなかなか確認できないし、初期の段階で変なクセがついてしまうと、
いずれ中級以上のレベルの曲に取り組む時に、スムーズに運指ができなかったり、
最悪指や手首、あるいは腰等に不調をきたしてしまう可能性もある。

なので、思い切って体験レッスンを受け、ある音楽教室へ通うこととなりました。
それから10数年、今もレッスンで先生との何気ない会話やアドバイスを通じて、
新しい発見や、壁を乗り越えるきっかけを掴んだり。
独学ではここまで弾けるよにならなかっただろうし、
そもそもこんなにピアノが楽しく、奥深く、一生続けていくだろうなぁと思えるほど、
ピアノに寄り添った生活になったのは、レッスンに通うことにしたおかげだと思ってます。

●レッスンに通った場合のデメリット

わたしは結局レッスンに通うことにしたわけですが、レッスンに通うデメリットって何でしょう?

・通う先を選ばなければならない(どこに通うか、最初悩む)

・レッスン費用がかかる(個人教室だと6千円/月程度から、大手音楽教室だと1〜1.5万円/月くらい)

・定期的に通う必要がある(もちろん訪問レッスンを受けるという選択もあるが)

・先生との相性や指導力のばらつきがある。

・音楽教室との相性(雰囲気、発表会、先生以外の人(スタッフ、他の生徒等)との関係など)

・課題、練習への義務感

・やめづらくなる(先生やレッスン仲間などの人間関係、しがらみ)

この程度ではないでしょうか。
費用面以外は、考え方の問題?
練習のペースなどは、個人教室や大人向けレッスンなどでは、
各人のペースに合わせてもらえると思います。
先生や音楽教室との相性の問題は、遠慮することなく、合わないなら変えれば良いんです。
実際に、わたしのレッスン仲間には、他の音楽教室と合わなくて今の教室に変えた人や、
今の教室では複数のピアノ担当の先生がいますが、先生を変更してもらった人もいます。
先生方も、おそらく相性が悪い生徒と無理してレッスンを続けるより良いと感じてるんではないでしょうか。

もちろん、今わたしが通ってる教室でも、やめてしまう生徒さんはたくさんいます。
わたしには合っていても、他の人には合わないということは多々あるでしょう。
せっかくレッスン仲間として交流のあった方が、いつの間にかやめていてそれっきり・・・
ということもたまにあって、少し寂しい気持ちになったりもします。
こんなのも、デメリットと言えばデメリットでしょうか・・・

●独学のメリット

もしレッスンに通わず、ずっと独学でやっていくとしたら、そのメリットは何でしょうか。

・全て自分の自由(練習ペース、練習方法、時間、弾くも弾かないも全て自分次第)

・レッスン費用がかからない

・やめたい場合に遠慮すべきしがらみがない(ピアノ弾かなくなるだけ・・・です)

・ある程度まで独学で、壁にぶちあたったらレッスンへ。という選択もある

ただし、これには独学でやったことが仇となるリスクもあります。

弾き方に変なクセがついたり、腱鞘炎をはじめ、身体を痛める可能性もあります。

独学のデメリットは、もちろんレッスンに通った場合のメリットの殆どを享受できないこと。

●レッスンに通うメリット

【レッスンに通い始めの頃】

とにかくレッスンがあることでピアノを弾くことが自然と日常に溶け込んできます。
正直、思ったように弾けなくてイライラしたり、挫折しそうにもなりました。
でもレッスンへ通うことで、先生にいろいろ相談できたり、うまく弾けないと愚痴を聞いてもらったり。
(ピアノ以外の愚痴とか、誰かに聞いてもらいたい話を先生にしたり、とか・・・)
壁になってるフレーズを乗り越えるために、少し曲から離れて指のエクササイズ的な練習法をアドバイスしてもらい、
弾けなかったところが弾けるようになるあの感覚。

通う先がどこの音楽教室か、あるいはピアノの先生にもよると思うけど、
基本的に先生たちは、いつも生徒一人一人について状態を把握し、
少しでも上達するよう練習方法など工夫してくれます。

先生たちは、生徒がピアノを楽しく続けてくれることを本当に望んでいるのです。
レッスンを通じて、そんな先生の想いが伝わってくると、
単調な練習でも先生が課題曲を弾くために必要だと考え提案してくれてるのがわかってるので、
頑張って練習するし、そのおかげでちゃんと上達する。弾きたかった曲が弾けるようになる。

そして、まずは小さな発表会への参加を勧められ、初めて先生以外の人たちの前で演奏。
なんとも言えない緊張と、全然うまく弾けなかったけど、終わったあとの充実感。
なにより、発表会への参加で、他の生徒さんたちとの交流が生まれ、
その後様々な演奏会イベントに参加したり、イベント後には打ち上げで親睦を深めたり。
すっかりピアノが生活の一部として定着していきました。

もちろん、時には先生の指導にちょっと反発しちゃうこともあります。
先生は幼少の頃からピアノを始めて、自然とピアノを弾く身体に成長してきたはずです。
でも、大人から始めた場合、先生にはできてあたり前、極自然な動作であっても、わたしにはできない。
そのあたりで、ちょっとぶつかってしまったり。

まだレッスンに通い始めの頃は、実はわたしの先生も指導者としての経験が浅く、
大人から始めた人がどんな感じなのか、いまいち掴めてなかったんだと思います。

もしレッスンに通わず、独学でやろうとしてたら・・・

独学では相当やる気に満ちてたとしても、壁になるフレーズがあったら、
なんとなくやる気もなくなってきたり、
あるいはその部分はごまかして弾けた気になってたり・・・
で、結局それでは上達しないので、多分いつのまにかピアノから遠ざかっていたのではないかと思います。

ピアノをちゃんと弾けるようになるためには、単調なフレーズを繰り返し練習する必要があります。
はっきり言って、大人から始めて上達するには、
相当我慢強く基礎練習を繰り返し繰り返し行う気力が求められます。

それを一人で乗り越えられる程のピアノへの情熱、気力があるなら、
今は本当に良い教本や動画(教本付録やネット上)などがたくさんあるので、
独学でも上達することは可能だと思います。

先生たち、あるいは演奏活動をしてるピアニストの方々、
おそらく全ての人が子供の頃に基礎練習を繰り返し行っていたはずです。

ただそれが子供の頃だと、学校での勉強の延長線上にレッスン、あるいは個人指導があって、
先生の言うことを聞く、指導をうけるということが自然と受け入れられてたんだと思います。

誰しも、始めからいきなり上手くピアノが弾けたわけではないので
(たまに幼少から上手く弾けちゃう天才もいますが)、
大人だからって、いきなり弾けるようにはならないのです。

【レッスンに通い続けてる今】

レッスンに通うようになって、いつの間にか10年以上経っていました。
幸いなことに、自分自身が転勤などで同じ音楽教室へ通えなくなる状況もなく、
また、先生もずっと変わることなく、同じ先生の下で指導をうけています。

同じ音楽教室のピアノを含む他の先生方とも交流があったり、短期レッスンを受けたりもしてみました。
わたしの先生も、他の先生のレッスンを受けてみたり、
あるいは先生自身の演奏技術向上のために、
先生の先生(子供の頃に通ってた音楽教室の先生や音大時代の恩師など)
のもとへ定期的にレッスンに行ってるそうです。

レッスン中、わたしや他の生徒さんからも同様の話をされてたみたいですが、
先生は子供のころに自然とできるようになったかもしれないけど、
大人から始めた人には超難しいことが沢山ある、ということも、
今ではしっかり認識してくれているようです。
演奏技術だけでなく、より良いレッスンができるよう先生も常に勉強してるんですね。

ピアノに限ったことではないと思いますが、長く続けているといつの間にか変な癖がついてる場合があります。
そんなことも、先生から指摘されて気づいたりします。
わたしもいつの間にか、鍵盤の手前側ばかりで弾く癖がついていたようで、
黒鍵を弾く時に指が滑り落ちることが増えてたのですが、白鍵を弾く位置が手前ばかりになっていました。
演奏中に猫背になっちゃうのは常々指導、というか、先生に背中つつかれちゃいますが・・・
左手の親指がすぐ横に寝てしまう癖とか、鍵盤を弾く位置とか、
独学では気づきにくいし、やっぱりレッスンを受けてるから気づいてもらえるんですよね。

・・・他にもレッスンに通うメリットはたくさんある

・先生の指導を受けられる(教本ではわからない、指の形、使い方、姿勢 体の動かし方など)
教本にも基本的なことは書いてありますが、実際に弾いてる時(演奏中)の細かい動きはわかりづらく、
変な癖がつくこともある。
より弾きやすい指や手首、腕、肩(肩甲骨)の動き、鍵盤のどの位置を弾くか(手前、奥、黒鍵と黒鍵の間)など、
そのフレーズに合ったかたちを指導してもらうことは上達への近道。

・お手本演奏を身近に聞ける(先生の演奏)
音だけでなく、弾き方(指や身体の使いたなど)をじっくり見せてもらったり、ゆっくり弾いてもらったりできる。

・自分の弾き方 指や腕、体の使い方などを観てもらえる。
自分でも動画撮影して確認できるが、面倒だし普通そこまでやらない。
逆に、そこまで徹底して自分でできる人は、独学でも良いかもしれませんが・・・

・定期的に通うことで練習の継続がしやすい。
先生との関係で、次のレッスンまでにある程度練習しますよね、やっぱり。
大人向けレッスンの場合、仕事や家庭の都合などを理解した上で自分のペースで指導してもらえるので、
まったく練習せずに次のレッスンにいっても大丈夫だと思いますが、結局自分のために練習しちゃいます。
特に発表会が近いと、練習にも熱が入ります。

・無数といって良いほどあり、次から次へと新しい(実は過去出版の見直し版も多いが)ものがある教本から、
先生に、その時々で自分にあったものを選んでもらえる。

・必ずしも基礎から始めるのではなく、まず曲を中心に練習して、
自分がどの程度弾けるのか知ってもらってから練習プログラムを決めてくれる場合もある。

・レッスン仲間ができる。
発表会や連弾、他楽器とのアンサンブルなどを通じて他の生徒さんと知り合いになり、交流できたりします。
先生の他、受付等のスタッフさんと仲良くなって、レッスン前の待ち時間のおしゃべりを楽しんでる人もいます。

・発表会など、目標となるイベントがある。
やはり、何かしら短期的な目標があると、練習にも身が入ります。
人前での演奏を経験すると、より良い演奏ができるようになりたい、表現力をつけたい、など、
どんどん自分のピアノ演奏に欲が湧いてきます。

・大人は自分の意思で通うので、先生や教室の雰囲気など、合わなければ変えてもよい(自分の意思で変えられる)
子供の頃、少しピアノ教室に通っていたけど、先生が厳しくて嫌になってやめてしまった、と言う方が、
大人になってからもう一度ピアノを習い始めることも多いそうです。
子供の頃は、ピアノは好きだから他の教室へ移りたい、とは親に遠慮して言いにくいし、
自分で他に良い教室を選べるわけでもない。
学習塾だとか受験だとか、いつの間にかピアノから遠ざかってしまっていたけど、
大人になって、今度は自分の意思で、自分のお金で通い始めたピアノレッスン。
合わなかったら無理して通う必要はないし、先生も教室もたくさんあるので、
ぜひ自分に合うところを探してピアノを楽しんで欲しいと思います。

いかがでしょうか。
少し長くなってしまいましたが、
ピアノは誰でも簡単に音が出せる楽器であり、
きちんと練習すればちゃんと答えてくれる楽器です。
でも、ある程度以上にはなかなか上達が難しい楽器でもあります。
ピアノの本当の魅力は、その”ある程度上達”した先にあると、わたしは感じています。
そして、その魅力はレッスンに通い、先生の指導をうけたことで気づけたと思っています。
先生たち、あるいは一流と言われるピアニストの人達も、クラシック、ジャズ等ジャンルに関わらず、
ピアノの魅力を追求してやまない人たちなのではないでしょうか。
わたしももっとピアノが上手になりたいので、これからも練習がんばりっていこうと思ってます。

 

 

 

 

 

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