ピアノの五線譜 大譜表のドはどこ?簡単な覚え方
●大譜表はややこしい?
楽器、特にピアノを始めたばかりの初心者にとって、
最初の壁になるのは楽譜を読むことではないでしょうか。
ピアノの場合、五線譜が2段になってる大譜表で楽譜が書かれていることがほとんどですよね。
上の段の始めにはト音記号が、下の段の始めにはヘ音記号が書かれているあれです。
(まれに、上下段ともにト音記号とかヘ音記号になってる場合もあるけど・・・)
図1.大譜表
ちなみに、ピアノの楽譜でお目にかかることはないけど、ハ音記号なんてのもあるらしい。
(ト音記号=高音部記号 ハ音記号=中音部記号 へ音記号=低音部記号)
※ハ音記号はヴィオラ等で使われてるようで、記号の位置は音域によって変わるらしいです。
図2.ト音記号、ハ音記号、ヘ音記号とドの位置
ト音記号は、小学校の頃から多少なりとも馴染みがあるので、なんとなくわかる。
でも、ヘ音記号は「ド」の位置がどこなのかすら悩んでしまうし、
大譜表になると「ト音」と「ヘ音」がごっちゃになって
もう訳わからん!とか、混乱しがちです・・・
自分もレッスンの時に、先生から「たまには初見やります!」なんて言われて、
極々簡単な初見なのに左手(下段のへ音記号の譜面)がト音記号と間違えてたり・・・
なんていうことが今だによくあって、「あらら〜、左手」とか先生に笑われてます。
●ト音記号とヘ音記号の「ド」の位置さえ覚えてしまえば他の音も分かる
図3.中央のド(C4) 大譜表と鍵盤
楽譜を読む時、あなたはどんな風に読んでますか?
ドの位置から、ド、レ、ミ・・・って数えてませんか?
(自分も最初はこれでした)
ドミソシの位置を覚えたら、レファラはドミソシの上か下です。
図4.ト音五線譜の音の位置
ト音記号の場合、中央のド(C4、中央のハ音)の五線譜での位置は、
下の1本目の加線(下第一線)上に書かれます。
※五線からはみ出してる線を「加線」といいます。
五線から近い順に第一、第二と数え、それが上側か下側かで「上第○線、下第○線」と言います。
五線譜内は単に下から第一線・・・で一番上が第五線となり、線と線の間は「間(かん)」と言い、
下から第一間・・・で一番上が第四間と言います。
ト音記号の五線譜の線上の音は、下からミソシレファです。
同様に間上の音は、下からファラドミです。
上側の加線は上第一線がラ、上第二線がド、その上はミソ・・・
つまりは、上第二線が下第一線のドより2オクターブ高いドになっています。
ではへ音記号の五線譜の場合はどうでしょうか。
図5.へ音五線譜の音の位置
ヘ音記号の場合、中央のド(C4、中央のハ音)の五線譜での位置は、
上の一本目の加線(上第一線)の上に書かれます。
ト音の場合と逆に低い音へ向かって確認してみると・・・
へ音記号の五線譜上の音は、上(第5線)から下(第一線)に向かってラファレシソです。
同様に間上(第4間)から下(第一間)に向かってソミドラです。
さらに下側加線は一つ目の加線(下第一線)がミ、二つ目の加線(下第二線)がドとなります。
さて、ドの位置だけを比べてみましょう。
へ音記号の下第二線(C2)→五線譜内の第二間(C3)→上第一線(C4)
ト音記号の下第一線(C4)→五線譜内の第三間(C5)→上第二線(C6)
となってます。
●1オクターブは線上と間上が変わり、2オクターブは線上から線上、間上から間上へ
もうお気づきだと思いますが、
ヘ音記号の上第一線のド(C4)とト音記号の下第一線のド(C4)は同じ音なのです。
そして、オクターブが一つ違うとドの位置が線上から間上(線の間)へ、
2(偶数)オクターブ違うと線上から線上、間上から間上になるのです。
もちろん、ド以外の音も同様です。
これを大譜表として見てみると、
ト音記号の下第一線のド(C4)とへ音記号の上第一線のド(C4)を中心にして、
ドの位置は上下対象になっているのです。
図6.ト音記号とヘ音記号の「ド」の位置は、鏡の関係?
これで、大譜表でのドの位置は覚えられますよね!
1オクターブ変わると音符の位置が線上と間上で入れ替わることも含めて覚えておくと、
大譜表でドの位置がすぐ分かれば、そこから他の音の位置
(ドが線上ならミソシも線上、レファラは間上、そしてオクターブ上のドも間上)
というように、譜読みがグンっと早くなります。
線上と間上の音が何なのか分かれば、重音(和音、コードなど)も譜読みになれるにつれて、
自然とすぐ分かるようになります。
まあ、分かるようになるのと、その通り指が動くようになるのとは、
また別の問題ではあるけど・・・
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